※本記事は情報提供を目的としたものです。保険の最終判断はご自身でお願いします。また、本記事にはPR(広告リンク)が含まれています。
火災保険を見直したとき、必ずぶつかるのが「地震保険、つける?つけない?」という問題です。

「地震大国だしね……」で思考停止して、なんとなく付けるかどうか決めていませんか?(私のことです)
以前火災保険を4社比較したときに一番悩んだのが、この地震保険でした。調べてみたら、私も含め、多くの人が誤解しているポイントがいくつもあったんです。
この記事では、財務省の公式情報をもとに地震保険の仕組みで最低限おさえるべきことと、分譲マンションで判断するときの考え方、そして実際にわが家が「つけない」と判断した理由まで整理します。
誤解その1:地震保険は「単体では入れない」
まず大前提です。地震保険は火災保険に付帯する方式でしか契約できません。火災保険への加入が前提になります。

えっ、そうだったの?!
「地震保険だけ入りたい」はできない、ということですね。ただし、すでに火災保険に入っている場合、契約期間の途中からでも地震保険に加入できます。更新のタイミングを待つ必要はありません。
誤解その2:火災保険に入っていても、地震の火事は補償されない
ここが一番の落とし穴だと思います。
火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・拡大した損害は補償されません。
「火事の保険なんだから火事なら出るでしょ」と思いがちですが、地震が原因の火災は対象外なんです。日本で暮らしていて、これを知らないまま火災保険だけ入っているのは、けっこう怖い状態かもしれません。
誤解その3:地震保険では建て直せない(そういう設計の保険です)
地震保険の金額は自由に決められません。火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲内と決まっています。上限は建物5,000万円・家財1,000万円です。
つまり、家が全壊しても同じ家を建て直せる金額は最初から出ない仕組みになっています。
これは制度の欠陥ではなく、設計思想です。財務省の説明によれば、地震保険は「地震等による被災者の生活の安定に寄与すること」を目的とした制度で、民間保険会社が負う巨額の地震損害を政府が再保険することで成り立っています。

「家を元通りにする保険」じゃなくて「当面の生活を立て直すお金」。ここを勘違いすると、判断を間違えます。
いくら支払われる?4つの損害区分
保険金は損害の程度に応じて4段階で決まります(平成29年1月1日以降が保険始期の契約の場合)。
| 損害区分 | 支払われる保険金 |
|---|---|
| 全損 | 地震保険金額の100%(時価額が限度) |
| 大半損 | 地震保険金額の60%(時価額の60%が限度) |
| 小半損 | 地震保険金額の30%(時価額の30%が限度) |
| 一部損 | 地震保険金額の5%(時価額の5%が限度) |
建物の場合、たとえば全損は「主要構造部(土台・柱・壁・屋根等)の損害額が時価額の50%以上」または「焼失・流失した床面積が延床面積の70%以上」が基準。一部損は「主要構造部の損害額が時価額の3%以上20%未満」などとなっています。
気をつけたいのが、一部損だと支払いは保険金額の5%という点。実際の地震被害では一部損の認定が多くなりがちなので、「思ったより出なかった」となる可能性は知っておいたほうがいいです。
保険金が出ないケースもある
財務省が挙げている「支払われない主な場合」のうち、意外と知られていないのがこの2つです。
- 地震などの発生日の翌日から起算して10日経過後に生じた損害
- 地震等の際の紛失・盗難
特に前者。余震で後からダメージが広がるケースもあるので、地震が起きたらできるだけ早く被害状況を写真に残しておくのが大事だと分かります。これは覚えておいて損はありません。
ほかに、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券、自動車などは、そもそも補償の対象外です。

それはそれとして、火事場泥棒はすべて滅べ〜!
保険料を下げられる割引制度がある
ここは確認しないと損をするポイントです。地震保険には4種類の割引制度があり、建築年や耐震性能に応じて10%〜50%の割引が適用されます(重複適用は不可)。
| 割引制度 | 割引率 |
|---|---|
| 免震建築物割引 | 50% |
| 耐震等級割引(耐震等級3) | 50% |
| 耐震等級割引(耐震等級2) | 30% |
| 耐震等級割引(耐震等級1) | 10% |
| 耐震診断割引 | 10% |
| 建築年割引(昭和56年6月1日以降に新築) | 10% |
マンションにお住まいなら、管理組合や販売時の資料で耐震等級を確認できることがあります。耐震等級3なら半額ですから、確認する価値は十分にあります。
さらに、地震保険料は地震保険料控除の対象です。所得税で最高5万円、住民税で最高2万5千円を総所得金額等から控除できます。年末調整や確定申告のときに忘れずに。
結局、つけるべき?わが家の判断軸
ここまで整理して、私は次の3点で考えるようにしました。
- 住宅ローンが残っているか——家が住めなくなってもローンは消えません。「住めない家のローンを払いながら、別の住居費も払う」状態を想像できるかどうか
- 貯蓄で当座をしのげるか——生活再建の当座資金を自前で用意できるなら、「わざわざ保険で備える」必要度は下がります
- 割引が効くか——耐震等級次第で保険料は最大半額。同じ補償でもコストがまるで違います
わが家の場合、上記3点を検討した結果、地震保険は「つけない」という判断になりました。決め手は、保険料に対して補償が見合わないと感じたことです。
一部損なら保険金額のわずか5%、全損でも同じ家を建て直せる金額は出ない仕組みだと分かった以上、その保険料を毎年払い続けるより、同じ金額をコツコツ投資に回して、いざというときの当座資金は自分たちで備えておく方が納得感がある、という結論に至りました。

「もしものときのため」で払い続けるより、「もしものとき用」として自分で貯めておく方が、私は性に合っていました。正解が家庭ごとに違うのが、この保険の一番ややこしいところ。
「地震大国だから入るべき」でも「どうせ全額出ないから無駄」でもなく、わが家がどれだけ耐えられるかで決める——これが結論でした。ただし、これはあくまでわが家の住宅ローン残高・貯蓄状況・マンションの耐震等級を前提にした判断です。同じ結論をおすすめしているわけではないので、ご自身の3つの軸に当てはめて考えてみてください。
迷ったら、まずオンラインで保険料だけ確認してみる
「つける・つけない」を決める前に、そもそも自分の家だと地震保険の保険料がいくらになるのか分からない、という人も多いはずです。保険販売員と対面で話すのは正直ちょっと……という人は、Webから複数社へ一括で見積もりを依頼できる、オンライン完結型の比較サイトで金額感だけ確認してみるのがおすすめです。無理な勧誘に付き合う必要がなく、火災保険と地震保険をセットで比較できます。
▼ Webから複数社へ一括見積もりを依頼する【PR】インズウェブで火災保険・地震保険を一括見積もりする
まとめ:仕組みを知ってから決める
地震保険は「家を元に戻す保険」ではなく「生活を立て直すための保険」です。そこを理解してから判断すれば、後悔しません。
- 地震保険は火災保険とセットでしか入れない(契約途中からの追加はOK)
- 火災保険だけでは、地震が原因の火災は補償されない
- 保険金額は火災保険の30〜50%、建物5,000万円・家財1,000万円が上限
- 支払いは全損100%/大半損60%/小半損30%/一部損5%の4区分
- 地震発生日の翌日から10日を過ぎて生じた損害は対象外。被害はすぐ写真に
- 耐震等級次第で保険料は最大50%割引。地震保険料控除も使える
- わが家は「保険料に対して補償が見合わない」と判断し、あえて「つけない」を選択(貯蓄で当座をしのぐ想定)
火災保険そのものの見直しについては、4社比較で1万円以上の差が出た実録と保険の重複をチェックした話にまとめています。セットで見直すと効率がいいので、あわせてどうぞ。
※本記事は2026年8月時点の財務省「地震保険制度の概要」に基づいています。制度は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
