
もし病気やけがで働けなくなったら、お給料はどうなるの?

就業不能保険って、最近聞くわ。会社員でも入っておいたほうがいいのかしら。

気になりますよね。実はわが家、夫婦とも会社員ですが、就業不能保険には入っていません。「入らない」と決めるまでに調べた、国と会社の保障をまとめます。
保険会社の記事を読むと、「働けなくなるリスクは意外と高い」という話がたくさん出てきます。
もちろん、病気やけがで仕事を休む可能性は誰にでもあります。だからこそ不安になって、保険を急いで探したくなることもありますよね。
でも、就業不能保険を探し始める前に確認してほしいことがあります。
会社員は、もう「保険」に入っている。
健康保険と厚生年金です。毎月のお給料から天引きされている、あれです。
会社員には、働けなくなった直後の収入を支える傷病手当金や、障害が残った場合の障害年金があります。
医療費についても、高額療養費という上限を設ける仕組みがあります。
就業不能保険が必要かどうかは、不安の大きさではなく、公的保障と蓄えを足しても生活費が足りなくなるのかで考えると判断しやすくなります。
この記事では、会社員が働けなくなったときに受け取れるお金を整理したうえで、わが家が保険に入らないと決めた理由もお伝えします。
この記事でわかること
- 働けなくなったときに会社員がもらえるお金(傷病手当金・障害年金・高額療養費)
- いくら出るのか、2026年の金額で試算
- 会社員と自営業で、保障がどれだけ違うか
- わが家が就業不能保険に入らないと決めた理由
- それでも就業不能保険を検討したほうがいい人
※制度の金額は2026年9月時点で、協会けんぽ・日本年金機構の公式ページで確認した内容です。
働けなくなったら国からいくら出る?|会社員が使える3つの公的保障

会社員が病気やけがで働けなくなったとき、まず頼れるのは次の3つです。
- 傷病手当金(健康保険):休み始めてから最長1年6か月
- 障害年金(厚生年金):障害が残ったとき
- 高額療養費(健康保険):医療費の自己負担に上限
それぞれ対象になる場面が違うため、「どれか1つ」ではなく、状況に応じて組み合わせて生活を支える仕組みです。
「休んだ直後の収入」「長引いた場合の生活」「治療費」と、心配ごとを分けて考えると分かりやすくなります。
①傷病手当金|お給料の約3分の2が、最長1年6か月
業務外の病気やけがで会社を休み、お給料が出ないときに、健康保険から出るお金です。
連続3日休んだ後、4日目から支給されます。この3日間には有給休暇や土日も含まれます。
支給期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月です。
金額は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均を30で割り、その3分の2。ざっくり言うとお給料の約3分の2です。
たとえば標準報酬月額30万円の人なら、30万円÷30=1万円。その3分の2で、1日あたり約6,667円です。
30日分で約20万円。お給料がいきなりゼロになるわけではありません。
家計を考えるときは、「今の手取り額」ではなく、傷病手当金を受け取る期間に必要な生活費と比べてみるのがポイントです。
毎月の支出をそのまま維持するのではなく、休職中に最低限いくら必要かを考えておくと、より現実的に判断できます。
ただし、休んでいる間も社会保険料などの負担は続きます。額面の3分の2がそのまま使えるわけではない点には注意です。
※協会けんぽの場合。会社の健康保険組合によっては、上乗せの給付(付加給付)がある場合もあります。

「働けない=収入ゼロ」ではないんです。会社員は、休んでから1年半は国がかなり支えてくれます。

でも、1年半たっても治らなかったら、そこで終わり?
②障害年金|長引いて障害が残ったら、年金が出る
1年6か月たっても良くならず、障害が残ったときに頼れるのが障害年金です。
審査の基準日は、原則として初診日から1年6か月を過ぎた日(障害認定日)。傷病手当金が終わるころと、ちょうど重なります。
会社員(厚生年金に加入中に初診日がある人)は、2つの年金が重なります。
- 障害基礎年金(1級・2級)
- 障害厚生年金(1級・2級・3級)+軽い障害なら障害手当金(一時金)
2026年4月分からの障害基礎年金は、2級で年847,300円。18歳の年度末までの子どもがいれば、2人まで1人243,800円が加算されます。
わが家のように子ども2人なら、障害基礎年金だけで年133万5,000円。これに、お給料と加入期間に応じた障害厚生年金が上乗せされます。
もうひとつ大事なのが3級です。3級は障害厚生年金だけにある等級で、自営業の人にはありません。
3級には最低保障額があり、2026年4月分からは年635,500円です。
ただし、2級は「労働によって収入を得ることができないほど」の状態が目安。働けないならすぐもらえる、という制度ではありません。
病名だけで決まるものではなく、日常生活や仕事への支障の程度などを含めて判断されます。
傷病手当金の延長のように自動で切り替わる制度ではないため、条件があることは知っておきたいところです。
※障害年金は、保険料の納付要件を満たしていることも条件です。
③高額療養費|医療費は、1か月の上限を超えたら戻ってくる
働けない間は、医療費も心配になります。ここを支えるのが高額療養費制度です。
1か月の医療費の自己負担に上限があり、超えた分は払い戻されます。
2026年8月から金額が見直されました。70歳未満で標準報酬月額28万〜50万円の人は、次のとおりです。
- 月の上限:85,800円+(総医療費−286,000円)×1%
- 4か月目以降(多数回該当):44,400円
- 新設の年間上限:53万円
治療が長引いても、医療費が青天井になることはありません。
生活費とは別に、医療費がどこまで増えるか分からない不安を小さくしてくれる制度です。
収入の不安と医療費の不安を、同じものとして考えないことも大切です。
仕事中・通勤中のけがや病気は「労災」
仕事中や通勤中が原因なら、健康保険ではなく労災保険の対象です。休業の補償も労災から出ます。
原因が業務や通勤に関係するかどうかで制度が変わるため、迷うときは勤務先に確認してみてください。
労災の休業補償は、休業4日目から1日につき給付基礎日額の60%。さらに休業特別支給金として20%が上乗せされ、合わせて約8割です(厚生労働省・2026年10月時点)。
会社員と自営業でこんなに違う|傷病手当金があるかないか

自営業の友だちは「就業不能保険は必須」って言っていたけど、会社員も同じなの?
ここまでの話は、会社員だからこその保障です。自営業やフリーランスの人とは、かなり差があります。
| 会社員 | 自営業・フリーランス | |
|---|---|---|
| 休んだ直後の収入 | 傷病手当金(約3分の2・最長1年6か月) | 原則なし(国民健康保険には基本的にない) |
| 障害年金 | 障害基礎年金+障害厚生年金(3級あり) | 障害基礎年金のみ(1級・2級) |
| 医療費 | 高額療養費あり | 高額療養費あり |
いちばん大きいのは、休んだ直後の1年6か月です。
会社員はお給料の約3分の2が出ます。自営業の人は、休んだその日から収入が止まりかねません。
同じ「働けない」という状況でも、最初に埋める必要がある収入の穴が違います。
就業不能保険の記事で「自営業の人は必要性が高い」と必ず書かれているのは、このためです。

会社員が保険で補うことを考えるなら、「休んでから1年半」の先と、傷病手当金で足りない3分の1の話なんです。
わが家が就業不能保険に入らない理由|共働き会社員・晩婚夫婦の判断

わが家は、夫婦とも会社員です。そして今、就業不能保険を含め、生命保険の類には入っていません。
これは「会社員なら誰でも保険はいらない」という意味ではありません。わが家の家計と蓄え、公的保障を合わせて考えた結果です。
保険の必要性は、家族構成や働き方、毎月の支出によっても変わります。あくまで、わが家の判断として読んでいただけたらと思います。
以前は都道府県民共済に入っていた
最初からゼロだったわけではありません。
以前は夫婦とも都道府県民共済に入っていました。実際に入院やけがで給付を受けて、お世話になったこともあります。
だから「保障なんて意味がない」とは思っていません。
今は「蓄え+NISA」で備えると決めた
それでも今入っていないのは、夫婦とも晩婚で、これまでの蓄えがあるからです。
その蓄えをNISAのインデックスファンドで運用して、万一のときの備えにする方針で進めています。
考え方はシンプルです。
- 最初の1年6か月は、傷病手当金がある
- 長引いて障害が残れば、障害年金がある
- 医療費は、高額療養費で上限がある
- それでも足りない分は、蓄えで埋める
公的保障で足りない分を、保険ではなく自分の蓄えで埋められるなら、保険料を払い続ける必要はない。そう判断しました。
共働きの場合は、片方が働けない期間でも、もう片方の収入が残ることも判断材料になります。
ただし、共働きであっても、片方の収入が減ったときに生活が回るかどうかは家庭ごとに違います。
それでも就業不能保険を検討したほうがいい人|判断の目安4つ
わが家は入らないと決めましたが、全員に「いらない」とは言えません。次に当てはまる人は、検討する価値があります。
大切なのは、一般的な正解ではなく、自分の家庭で収入が減ったときにどこまで対応できるかです。
①自営業・フリーランスの人
傷病手当金がないぶん、休んだ直後の収入の穴がいちばん大きい人です。
②蓄えが少ない人
傷病手当金は、お給料の約3分の2。残りの3分の1と、1年6か月後の生活費を、蓄えで埋められるかどうかが分かれ目です。
③世帯の収入が1人だけの人
片働きやひとり親の家庭は、働けなくなった人の収入減が、そのまま世帯の収入減になります。
共働きなら、片方が働けなくても、もう片方の収入が残ります。ここは共働きの強みです。
④住宅ローンの返済が重い人
団信は亡くなったときにローンが残らない仕組みですが、働けないだけでは対象にならない商品もあります。返済が重い家庭は、自分の団信の内容を一度確認しておくと安心です。
保険を検討する前に、家計で確認したい4項目
いきなり商品を比べる前に、次の4つを紙やスマホに書き出してみるのがおすすめです。
- 傷病手当金で受け取れるおおよその金額
- 毎月、最低限必要な生活費
- 夫婦どちらかの収入だけで足りる金額
- 不足分を蓄えで何か月補えるか
この4つは、そのまま夫婦で確認したい「就業不能時の家計チェックリスト」になります。
ここを見える化すると、「保険が必要かも」という漠然とした不安を、具体的な不足額に置き換えられます。
保険料を払うべきか、蓄えを厚くするべきかも、数字で見ると夫婦で話し合いやすくなります。
検討するなら、ここは必ず確認を
就業不能保険は、商品によって条件がかなり違います。
- 給付が始まるまでの「支払対象外期間」の長さ
- うつ病など精神疾患が対象になるか
- 「就業不能状態」の定義(入院だけか、在宅療養も含むか)
「条件が厳しい」という声が多いのは、このあたりが原因です。保険料の安さだけで選ばないのがポイントです。
毎月の保険料だけでなく、「自分が心配している状態で本当に給付対象になるか」を確認してから比べたいですね。
対面の販売員に相談すると、必要以上の保障をすすめられることもあります。検討するなら、条件を自分で見比べられるネットの比較から始めるのがおすすめです。
亡くなったときの備えを考えるなら、収入保障保険のような掛け捨ての保険が候補になります。
たとえばFWD生命の「FWD収入保障」。亡くなったときや所定の高度障害状態のとき、決まった期間まで年金を毎月受け取れるタイプです。
特則を付けると、所定の障害状態・要介護状態も対象にできます。インターネットで見積もり・申し込みができるので、販売員を通さずに検討できます(2026年10月時点・条件は公式ページで確認を)。
まとめ:保険の前に「国と会社からいくら出るか」を足し算しよう
最後にポイントをまとめます。
- 会社員は、休み始めてから最長1年6か月、お給料の約3分の2の傷病手当金が出る
- 長引いて障害が残れば、障害基礎年金+障害厚生年金(3級あり)
- 医療費は高額療養費で上限あり(2026年8月から年間上限も新設)
- 自営業・フリーランスは傷病手当金がないので、就業不能保険の必要性が高い
- わが家は共働き会社員で蓄えがあるので、保険ではなく蓄え+NISAで備える
- 必要な保障は、「不安」ではなく公的保障と生活費の差額で考える
就業不能保険が必要かどうかは、「不安の大きさ」ではなく「足りない金額」で決まります。
まずは自分の標準報酬月額(健康保険料の計算のもとになる金額)を確認して、傷病手当金がいくら出るかを計算してみてください。勤務先の人事・総務や健康保険組合に聞けば教えてもらえます。
そのうえで、毎月の生活費と、夫婦どちらかの収入だけで暮らせるかも並べてみると、必要な備えが見えやすくなります。
公的保障、毎月の生活費、手元の蓄え。この3つを並べてからでも、保険を選ぶのは遅くありません。

数字にしてみると、「思ったより大丈夫かも」と「ここは足りないかも」がはっきりします。保険を選ぶのは、それからで十分です!
参考(公式):傷病手当金|協会けんぽ/障害基礎年金|日本年金機構/障害厚生年金|日本年金機構/高額療養費|協会けんぽ
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